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自分の身の丈は超えようとせず、身の丈までは常に精一杯。 自分が自分の行動記録的な日記として残しているブログ。 失礼恐縮&無礼勘弁。

自分の日記

   

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常念岳2,857m【5/13-14】

5/13(日)
5時に起きて朝飯をしっかり喰い、6時に車で家を出る。
荷物はオスプレーのイーサー70に水を3.5リットル積んで19kg、フロントバッグが2kgの合計21kg。
テントの冬用の外張りやアイゼン・ピッケルも入れたから重い。
頂上での日の入は18:58、日の出は04:15の見込み。
 
豊科ICで降りるのだが、その直前の梓川PAに寄った。
大きなPAだがあんまり混まなそう。コンビニもあって使える。またいつかの山の前夜泊のために下見。
08:30 豊科ICを出た。途中、ローソンやサンクスもあったが、一番最後に見つけたセブンイレブンでオニギリを2個、確保。
 
09:30 「一ノ沢」に着いた。
登山口にはトイレなどがあるが車は停められない。広くなっているのはタクシーの車回し。駐車場はかなり手前になる。その間の路肩が広くなっているところに車を停めた。
リュックを降ろして靴紐を締め、準備をして09:55スタート。
登山口までの舗装路を10分弱ほど歩く途中で猿の集団。茂みに逃げて行ったが1頭だけ斜面を少し上がったところで何か食べ続けている。
本州にはヒグマはいないから、山で遇うモノに怖いものは殆どいない。でもこんな車の通るところなら問題ないが、山の中で猿の群れに遇うと、これは少し怖い。
天気は非常に良い。先を見上げると常念岳の頂上かと思われるピークが頭を出している。
登山口で登山届を出し、10:10いよいよ山道に入る。
 
秩父でもありそうな雑木林の緩やかな斜面を上がって行く。時々足元が悪くなる。
荷物が重い。
10:20 「山の神」。
10:30 「古池」。
11:10 「大滝」。
灌木の中の緩い山道をダラダラと登って行く。

05131212-ichi-no-sawa-debris.jpg12:10 デブリと言うのか、雪崩などで溜まった大量の雪が拡がっているところに出た。これが一ノ沢なのかな。
先を見上げると稜線が見える。雪が尾根まで駆け上がっている。そちらの方に行きかけたが地図を見ると間違いみたい。少し戻って赤旗を見つけて先に進む。
 
ダテカンバを林の中、足元はずっと雪。
下はシャーベット状態で足が重いがトレースがシッカリ付いていて迷うことはない。
赤旗が所々に立っているが、時々間が空いているからトレースがなかったら結構面倒だったかもしれない。やはり冬山には安易に入るべからず、と改めて思う次第。
12:45 休憩。快晴。
ひたすら、雪の上を歩いてきて、先もまだまだ続くようだ。
素晴らしい天気。焼けちゃうかも。やばい。
買ってきたオニギリを2個とも食べてしまった。
アイゼンを付ける。荷物がもう少し軽ければツボ足で行けると思うが、21kgは中々辛い。下が雪でなくてもシンドイ重さ。この少し先から急斜面になる筈。あぁ、重い。
13:15 スタート。相変わらずの好天だが足は重い。
 
両面から壁の迫るボコボコの雪の斜面を上がって行くが、段々と急になってゆく。
13:40 夏道の橋をすぐ頭の上に見上げる。
長いところを登って左に折れると先の方に稜線が見えた。あれを上がった向こうに常念小屋がある筈。
登れば登るほど斜面は急になる。
かなりの急斜面になって、これはこれでトレースが有難いのだが、その踏み跡が主に下りの人の足跡のようで、登る側からすると踏み幅が結構広い。これがまた辛い。もう少し小きざみに上がって行きたいのだが、その間にはアイゼンがかからない。滑って落ちそう。怖い。
仕方ないので春の岩手山の7合目あたりよりも急で長い雪斜面を、10歩登ってはストックに体重をかけて休み、20歩登っては足元に少しだけ平らな場所を作ってフクラハギを休め、少しずつ登る。
21kgでこの斜面、本当にシンドイ。毎回のことだが、後悔。
山に来ると殆どいつも、前半登りでは後悔する。なんでこんなところに来たんだろう、と。でもテッペンに上がると降りたくなくなっていて、降りる時には会社勤めの身を恨む。降りたくない。
今回も今のところ、同様。
これも毎度のことだが、準備をするときにも“どうせ登りながら後悔するんだろう”と考えながらリュックに多目に荷物を押し込む。山に登る人は基本的に自虐的マゾなのか。
 
15:20 どうにか稜線に上がると、すぐ目の前に常念小屋。ようやく到着。
最後の最後は急過ぎて直登出来ず、ジグザグのトレースを追った。
05131508johnen-nokkoshi.jpg目の前にまだまだ雪の残る槍穂高。絶景。大キレットが凄い。両側から深く落ちている。体力気力のあるうちに行きたいが、あれは怖いな。風はあまりなく、雲もない。高層にうろこ雲が流れている。
 
雪のトンネルを潜って小屋に入る。
天泊の積りで来たが、気温が結構低いので少し弱気になって最低気温などを聞くと、今朝がたは水が凍っていたよ、とのこと。何度くらいだったのか。不安。でも小屋は素泊まりでも6500円、2食だと9500円。テントがあるのにこれはアホらしい。気を確かに持ち直して天泊の申し込みをする。600円。
 
05131626hotaka.jpg05131626yari.jpg05131659yari-from-inside-tent.jpg16:30 ようやくテントを立てて荷物を放り込んだ。中の片づけはこれからだけど外目には片付いたから一休み。冬用の外張りは今年の冬に買ったが使うのは今回が初めて。デビュー戦にしてはなかなかの好条件ではないか。
小屋に泊まるのは今のところ1名だけのようだったが、テントは4張り。GWは非常に混んでいたそうだが、明けるとこんなもんらしい。
登って来る時にすれ違ったのも、ソロが3,4人、カップルが4,5組。土日行でもこの程度。天気次第だがGW明けは良い時期かもしれない。

05131500back-country-skiers.jpgそういえば稜線に出ようとしていた頃に常念の方から“オ゙ォーイ、オ゙ォーイ”という怒鳴り声が聞こえた。それが本当の怒鳴り声で何度もするもんだからよく見てみると、小屋から常念に向かって斜面を少し上がったあたり、でも頂上を目指すには少し外れていて一ノ沢への急斜面側を2人の人影が歩いている。怒鳴っている方は赤いジャンパーのオッサンで、その少し上のハイマツの中を青いジャンパーの女の人がオッサンの方に行こうとジタバタしている。オッサン、“なんで付いてこないんだ、オ゙ォーイ!”と怒鳴っているから最初は奥さんが勝手に歩いてハイマツに入り込んで怒られているのかと思った。でも少し見ていると(足を休ませられる良い理由になった。)、雪斜面の上部にいるオッサンのところに奥さんが合流して、今度は奥さんが“なんでそんなに怒鳴るのよぉっ!”と逆襲している。言い合いをしながら何か作業をしているようだったが、見る間にスキーで降り始めた。先に赤いオッサンが降りて行くがあんまり上手くはない。チョット降りると急に曲がって止まっている。ところが、そのあとを青いジャンパーが滑りだしたら、こっちは上手い。シュプールも直線的で綺麗。奥さんの方が遥かに上手かったようだ。と思って先ほど彼らがいたあたりを見ると、奥さんが最初にいたところはオッサンより上の方。その先にはさらに高いところから雪が続いている。奥さんはここから滑ろうとしていたのか。でも幅が狭いからオッサンには結構辛そう。それで怒っていたのか。そりゃぁ逆襲されるだろう。納得。
 
外は太陽が下がって来ているが、まだまだ素晴らしい天気。雲は高層だけで3000mあたりには全くない。槍も穂高も遮るものはなく、目の前に巨大な壁のように雄大に聳えている。
17時近くなって風が少し出てきたのでテントに入って中を片付ける。
 
片付けは30分ほどで終わり、晩飯の支度にそのまま突入。
湯を沸かしてアルファ米に入れたのが17:30。あと20分で晩飯だ。
と思ったら、携帯が鳴った。見ると会社の“機関車ヤマト”から。内容よりも、こんな所まで電話がかかってきて繋がることに驚き。ここ、2,466m。周囲は山で人家などは一切見えない。

17:50 出来た!
05131754dinner-including-next-breakfast.jpg今宵の飯は「天ぷら蕎麦の野菜増し、輪切り唐辛子入り」と「ピリ辛ソーセージ入りビーフカレー」。
因みにカレー、晩飯の分は半分だけ。残りは明日の朝飯用。
いやぁ、豪華だ。でも喰ってみたら結構辛くて、どれが辛いのかは分からないが難儀した。おそらく、全部が辛くなっちゃったみたい。
18:20 腹も一杯になって片付けも終了。あとは寝るだけ。今日は随分と時間がかかった。
 
05131827yarihotaka-at-nightfall.jpg18:50 やることもないので、シュラフニ入る。飯の直後につきテント内は8.5℃。でも入口に隙間を開けているからドンドン冷えていく。一応、ダウンジャケットを羽織って寝る。
シュラフはISKAのAir630。下は登山ズボンダウンのまま、上は半袖Tシャツ+ヒートテック長袖シャツ、加えてダウンのマイクロジャケットにダウンのテントブーツを履いて就寝。19:20のテント内は7.0℃。
 
23:30 このような場所にしては穏やかな天気だが、時々強い風でテントがあおられる。
山の上の方はゴーゴーと鳴っている。3.9度。シュラフの中は温かい。暑くて時々腕を出す。
寒さは大丈夫だが、風が出てきてペグが不安。大きな石に4隅のロープをそれぞれ繋いだが、石をもっと重ねるべきだったか。
 
5/14(月)
02:50 0.9度。
04:00 1.5度。明るくなってきた。でも起きるにはまだ寒いな。
04:30 2.5度。周囲も起き始めたようだ。明るくなってきたし、まだ少し寒いが起きることにする。
鳥のさえずりが聞こえる。
 
04:40 トイレに行こうと外に出たら、ちょうど日が昇るところ。
05140447sunrise-at-johnenn-nokkoshi.jpg05140451sunset-pink-dyed-yarihotaka.jpg槍穂高の上部も段々と薄赤く染まっていく。
足元は凍っている。やはり外は零下だったようだ。頂上を目指すときには緩んでいるといいが。
 
04:50 テント内を一通り片づけて昨夜の残りのカレーを食う。冷たくなっているが、ポットの湯で流し込めば問題ない。
山頂へ向かう準備をする。リュックの中の大物は出して、衣類と水だけ持つ。これならサブザックを持ってくれば良かった。
準備ができたところでトイレに行く。大きいのがしたくなった。少ししか出なかったが、山に入ると普段は一切出ないのに珍しい。昨日の昼にオニギリ2個は多かったか。
最近は朝飯も余計だ。食うとその分出発が遅くなる。いつもは晩飯の残りを持って歩きだして途中の休憩で立ったまま喰うのに、近頃は段々と極楽登山を目指すようになってしまったか。心の老化だ。
 
05:50 スタート。
目の前の斜面をゆるゆると登りだす。少し前に昨夜のテント場にいた小柄な少し若い人が上がって行った。
05140601fighting-paused-thunderbird.jpgすぐに傾斜がきつくなって岩場を蛇行して上がる。
雷鳥の番い。冬毛から夏毛に生え変わり始めている。このくらいの色合いが綺麗でよいな。
 
すぐ右に槍穂高の絶景をチラチラ見ながら、ひたすら登る。同宿者とほぼ連なって歩いている。
振り返って見下ろすと、テントは米粒より小さくなっている。
06:55 最後の雪渓の入り口でアイゼンを付ける。
07:05 最後の登り、スタート。
 
07:15 山頂に着いた。これは絶景。素晴らしい。
05140732summit-of-johnen.jpg05140717yarihotaka-from-johnen-summit.jpg05140717washiba-suisyoh.jpeg0514tateyama-tsurugi.jpeg目の前に槍穂高が堂々と広がる。
穂高の左少し先には乗鞍、さらに左奥には御嶽山。
右に目をやると鷲羽と水晶、その右奥には立山。立山の左奥は剱岳だ。
これは凄い。端から端まで歩くとどれくらいかかるのだろうか。やってみたくなるくらい素晴らしい光景。
同宿者ともようやくゆっくり話をする。今は岡山にいるが、名古屋出身の38歳だそうだ。
今回は岡山から穂高駅まで車で来たんだと。帰りは一ノ沢からタクシーで穂高駅まで行く、とのこと。勿体ないから乗せて行くと提案、了解。
 
しばらく絶景を堪能。こんなチャンスはどれだけあるか。雲が殆どない。
07:40 山頂からの光景に未練はあるが、下山開始。
この斜面、ゴロゴロの浮石が多く、注意を要する。ところどころ雪も残っているが、斜度は結構急だから時々怖い。
登りよりも当然速いが、道が判っていると安心。
08:40 テントに帰着。テントの撤収をする。
 
09:30 いよいよ下山開始。奥でヘリ用の荷造りをしている小屋の人たちに挨拶をして、スタート。
岡山名古屋人とは、各自のペースで降りて登山口で集合することに。
歩き出したところで、これもまた天場にいた山本太郎みたいな人が下りてきた。彼は軽アイゼンしか持ってきていない、とのことで下が緩むのを待って少し遅れて頂上に向かった。無事に頂上まで行けたようだ。
でも太郎さん、昨日は一ノ沢から上がってきたそうだが、この稜線下の直登を軽アイゼンで上ってこれたんだから頂上までも問題なかろうに。
 
05140946climbing-down.jpg05141017melted-snow-hole.jpg急な雪渓を降りると後は淡々と下るのみ。
高度が下がると雪も緩んでくる。
川幅が広くなってくると雪渓がかなり緩んでいて、ところどころに穴が開いている。その下はかなり太い流れになっているところもあって、落ちたらアウト。結構怖い。何度か、膝までズボッと踏み抜ける。
本日も快晴で、かなり暑い。
 
大きなデブリを過ぎると河から逸れる如く、山越えのような細い道に入る。
11:20 雪解け水の大きな川を見下ろしながら休憩。
少し前に浮石で大きな尻餅をついた。足がかなり辛くなって踏ん張れなくなってきている。注意しないと。
岡山名古屋人は途中でアイゼンを外すと言って停まっていたのを追いこしてきたが、離れてしまったみたい。まだ来る気配がない。
11:35 スタート。
 
ひたすら下降。
11:50 大滝
12:15 古池
12:20 山の神
 
12:35 登山口に無事、帰着。
最後まで良い天気だった。
登山口にはトイレがあって、その表で水が蛇口からジャァジャァ流れている。そこで靴を洗い、アイゼンやストックも洗い、ついでに体も拭く。
30分ほどして岡山名古屋人が降りてきたので、一休みを待って出発。
穂高駅経由で帰途に就く。
素晴らしい山行でした。大満足。
H240514summit-mt.Johnenn.jpeg










素晴らしい天気で、御嶽・乗鞍・穂高・槍・鷲羽・水晶・立山・劔まで丸見え!
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